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頭頸部の不快感の原因の中でもっとも頻度の高いものは、筋由来の痛みとされています。
また、口腔の痛みでもっとも頻度の高いものは歯性の痛みであるため、口腔および顔面の疾病を診断する際に、まず歯性のものを疑い、次に筋性のものを疑うとよいとされています。
筋由来の痛みとはいわゆる顎関節症です。
以前、顎関節症は顎関節の疾患と考えられていました。
しかし、現在は顎関節や筋など顎機能に問題がある病気とされ顎関節そのものに問題がある「顎関節内障」といわれるものは顎関節症全体の中でごくわずかなことが分かっています。
現在世界的に顎関節という病名は死語になり、「TMD」という病名が一般的です。
このためここでは顎関節症ではなく、「TMD」という名称を使います。
TMDの症状は「顎や顔が痛くて口が開きずらい」「口を開けると雑音がする」「噛み合わせがずれている」といったものがあります。
原因としては長い間噛みあわせだと信じられてきました。
しかし現在は、下顎を動かす筋の中で、下額をもち上げる筋が問題をおこすことが分かっています。
下額を引き上げる筋はいくつかありますが、多く問題をおこす筋は咬筋という強力な筋肉です。
その「筋の異常」は心理的緊張とブラキシズム(歯軋り、くいしばり)により、過度の疲労によっておこります。
このため放置していたら、自然に治っていたということもあります。
治療法としては、原因であるストレスを除去することです。投薬なども有効です。
ただし、咬み合わ せの調整や歯にかぶせ物をするのは問題のある行為とされています。
28歳女性。口が急に開かなくなり来院されました。
〔現病暦〕
4ヶ月前に右側の顎角部(顎)に痛みがあったが、痛みは自然に消えました。
しかし1ヵ月前に再度右側顎局部の痛みと右側の顎関節の雑音が生じ、2週間前より口が普段の半分しか開かなくなり、当院を受診しました。
〔現症〕
口は25mm程度しか開きませんでした。
また、口の開け閉め時に右顎関節の雑音と右の咀嚼筋郡を押すと痛みがありました。
〔診断〕
筋障害
〔治療〕
4ヶ月前に同居の義父が脳梗塞で倒れ、看病を始めたころから症状が生じています。
ストレスによる口腔習癖(くいしばりなど)が原因と考え、カウンセリングと消炎鎮痛剤を処方させていただきました。
治療翌日より口 は35mmほど開き痛みの症状も軽くなりました。
1週間後には口は健康時と同様に開き、雑音もなくなりました。